当サイトの降雪量は、実際の何割なのか。気象庁の63地点と突き合わせた

当サイトの降雪量は、世界共通の気象モデル(ERA5)から出しています。スキー場から15km以内の気象庁63地点と3冬ぶん比べると、モデルの値は実測の56%。標高700m以上の地点では39%まで下がります。数字の読み方をまとめました。

当サイトの降雪量は、すべて気象モデルから出しています。世界中のスキー場を同じ物差しで並べようとすると、世界中を同じ方法で測っている観測網はないので、ERA5 という再解析データを使うしかありません。世界の降雪量をまとめて出しているサイトの多くも同じです。

そのモデルは、日本の山では雪を少なく見積もります。それも少しではなく、いつも少ない側に、大きく外れます。

スキー場から15km以内にある気象庁の観測所63地点と、直近3冬(2023/24〜2025/26)の12〜3月の降雪を比べました。モデルの値は、中央値で実測の56%でした。

いちばん外れた5地点と、モデルが実測を上回った5地点

観測所実測モデル実測に対する割合
高野島根・570m388cm103cm27%
大山鳥取・875m677cm191cm28%
今岡兵庫・207m60cm17cm28%
八幡広島・774m442cm139cm31%
大朝広島・399m238cm79cm33%

大山の観測所は6.8m降ったと記録し、モデルは1.9mとしました。だいせんホワイトリゾートが当サイトの順位で国内308位なのに、すぐそばの観測所が白馬より多く記録しているのはこのためです。くわしくは西日本の雪は、当サイトの数字より多いにまとめています。

観測所実測モデル実測に対する割合
白石宮城・86m42cm65cm155%
加賀中津原石川・65m219cm245cm112%
岩手松尾岩手・275m205cm223cm109%
今津滋賀・88m114cm119cm104%
砺波富山・69m246cm251cm102%

上回った5地点は、4つが標高100m未満の平地、残る1つも275mです。ただし、実測にいちばん近かったのは標高703mの白馬(実測447cm、モデル453cm)で、高い場所がすべて外れるわけではありません。

外れ方は、標高で決まっている

63地点を標高で分けると、はっきりした形が出ます。

観測所の標高地点実測(中央値)モデル(中央値)実測に対する割合
0〜150m18379cm258cm73%
150〜400m21336cm204cm55%
400〜700m16481cm224cm47%
700m以上8569cm277cm39%

いちばん右の列は、地点ごとの割合の中央値です。隣の2列を割った値とは一致しません。

実測は、高いところで569cm、低いところで379cmと、上に行くほど増えます。モデルは277cmと258cmで、ほとんど動きません。山の高さを追えていないということです。

なぜ山が見えないのか

ERA5 は地球をおよそ30km四方の格子に切り、格子ごとに標高を1つだけ持たせます。中にあるものを平均した高さです。大山の入った格子には、まわりの平野も入っています。モデルの中の大山は、低い丘になっています。

日本の雪は、シベリアからの冷たい空気が日本海で水分を含み、山にぶつかって持ち上げられて降るものです。山を平らにすれば、雪を降らせる仕組みそのものが消えます。モデルが出すのは、ならした地形に降る雪の量です。スキーをするのは、その中で飛び出した高い場所です。

平地の観測所でよく合うのも同じ理由です。標高69mの砺波は、格子の平均そのものだからです。

地域による違い

地域地点実測に対する割合
西日本(中国・近畿)1644%
北海道450%
関東・中部の内陸(群馬・岐阜)648%
東北2456%
北陸・信越1377%

北陸と信越がいちばん合うのは、観測所が海沿いの平野にあり、山に持ち上げられなくても雪が降る場所だからです。西日本がいちばん外れるのは、大山のように低い土地から1つだけ立ち上がる山に雪が降るためで、30km四方でならすと、いちばん消えてしまう地形です。

北海道の5割は、観測所が4つしかないので目安にとどめてください。別に、スキー場の近くの観測所を1カ所ずつ当てた比較でも、北海道は実測の半分ほどに出ています(ニセコに近い喜茂別は実測583cmに対し、モデルは315cm)。

当サイトの数字の読み方

cmは、実測としては読まないでください。日本の山では、だいたい実際の半分です。300cmと書いてあるスキー場の地面には、550cm前後降っていると考えるほうが近いでしょう。

順位は読んでください。世界3,069カ所を同じ方法で測っているので、全部にかかる低さは順位を動かしません。1位は500位より本当に雪が多い場所です。

地形の違う場所どうしは、慎重に比べてください。海沿いの平らなスキー場と、ぽつんと高い山とでは、低く出る度合いが違います。高い山のほうが損をしています。北海道と新潟、西日本と北陸を比べるときは、表の差は実際より大きく出ていると考えてください。

スキー場の公式の降雪量とは比べないでください。公式の値は山頂付近の値であることが多く、測り方もスキー場ごとに違います。当サイトの数字は、場所どうしを同じ物差しで比べるためのものです。

日本以外には、こうして突き合わせられる観測網がありません。だから当サイトは、日本以外のスキー場の積雪の深さは出していません。確かめようのない数字は出さない、という判断です。世界中で出している平年の降雪量は、場所どうしを比べるための値です。

測り方と限界

  • 観測所は、気象庁のアメダスのうち、当サイトのスキー場から15km以内にあるものを近い順に選び、1県4地点までにしました。雪の多い県だけで埋まらないようにするためです。全部で63地点になります。
  • 実測は12〜3月の降雪の深さの合計で、2023/24・2024/25・2025/26の3冬の平均です。モデルの値も同じ地点・同じ期間で、当サイトのすべてのスキー場と同じ計算です。
  • 観測所はスキー場より低い場所にあります。人が住む谷や町に建てるからです。リフトはその上の斜面を上がるので、ゲレンデでの実際の差は、ここで測った差より大きいと考えられます。
  • 63地点は多くありません。北海道の4地点だけで北海道全体を語ることはできません。
  • 100%を超える地点は、モデルが多めに出しているというより、雪が少ない場所で数cmの違いが割合を大きく動かした結果です。白石の実測は42cmでした。

出典:Open-Meteo の過去の気象データ(ERA5 再解析、コペルニクス気候変動サービス)、気象庁「過去の気象データ検索」。

よくある質問

このサイトの降雪量は、実際の降雪と同じですか?

同じではありません。気象モデル(ERA5再解析)の値で、スキー場から15km以内の気象庁63地点と比べると、中央値で実測の56%でした。山が高いほど低く出て、標高700m以上の地点では39%です。

それなら、順位は信用できますか?

順位のほうは使えます。世界3,069カ所すべてを同じ方法で測っているので、全体にかかる低さは順位を動かしません。ただ、平地の多いところと、ぽつんと高い山とでは低く出る度合いが違うので、地形の違う場所どうしは慎重に比べてください。

スキー場の公式サイトの降雪量と比べてもいいですか?

比べないでください。公式の値は山頂付近で測ることが多く、測り方もスキー場ごとに違います。当サイトの数字は、場所どうしを同じ物差しで比べるためのものです。

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