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白馬でいちばん有名なスキー場が、谷でいちばん雪が少ない。差は254cm
白馬バレーの10カ所を同じやり方で12冬はかると、平年の降雪量は414cmから668cmまで開きます。宿がいちばん多く、名前がいちばん知られている山が、いちばん下にいます。
白馬に行くと決めたあと、どのスキー場にするかは、たいてい名前か、宿のシャトルが行く先で決まります。
雪の量で決めている人は、あまりいません。決めようにも、並べた数字がどこにも無いからです。
白馬バレー10カ所の平年降雪量
| スキー場 | 平年の降雪 | 国内順位 | 雪質順位 | 上端 | 宿 |
|---|---|---|---|---|---|
| 白馬47 | 668cm | 16位 | 19位 | 1,651m | 1軒 |
| 白馬岩岳 | 668cm | 17位 | 47位 | 1,150m | 9軒 |
| 栂池高原 | 668cm | 18位 | 23位 | 1,602m | 21軒 |
| 白馬コルチナスキー場 | 635cm | 21位 | 73位 | 1,100m | 1軒 |
| 白馬乗鞍 | 635cm | 22位 | 35位 | 1,562m | 10軒 |
| 爺ガ岳 | 449cm | 51位 | 95位 | 1,180m | 12軒 |
| 鹿島槍 | 449cm | 52位 | 101位 | 1,488m | 1軒 |
| 白馬さのさか | 415cm | 72位 | 153位 | 1,203m | 1軒 |
| 白馬五竜(白馬47と一体) | 414cm | 73位 | 66位 | 1,676m | 19軒 |
| 白馬八方尾根 | 414cm | 74位 | 102位 | 1,831m | 79軒 |
いちばん多い山は、いちばん少ない山の1.61倍降ります。
宿は79軒で、隣のどこよりも4倍近く多い。海外でいちばん知られているのも八方です。その八方尾根が、雪ではいちばん下です。
北の端が、はっきり多い
小谷村寄りの4カ所(コルチナ・乗鞍・栂池・岩岳)は635〜668cmで揃っています。南寄りの八方尾根とさのさかは414〜415cmです。
理屈は単純で、日本海を渡ってきた寒気が谷の北端に先に届き、そこで多く落とすからです。
ただし、きれいな法則ではありません。この谷の中で緯度と降雪の順位を見ると、相関は0.48でした。確かにありますが、強くはありません。白馬47が南寄りにありながら668cmと出るのが厄介で、しかもこの数字は記事末に書いたとおり、この谷で最も当てにならない値です。「北の4カ所が八方・さのさかより確実に多い」までが安全な読み方で、「1km北へ行くごとに雪が増える」ではありません。
評判と雪がいちばん食い違う場所
白馬コルチナ。635cm、国内21位。5cm以上降る日が冬の37%あり、これは国内397カ所中18位です。地図に載っている宿は1軒、そしてWikipediaの記事がどの言語にもありません——英語にも、日本語にも。
栂池高原。668cm、国内18位。雪質は397カ所中23位。量と質の両方がそろうのは、この谷では栂池です。宿は21軒。日本語版の記事はありますが、英語版はありません。
八方尾根。414cm、74位。宿79軒、8言語のWikipedia記事。谷でいちばん知られている場所です。
八方が悪い山だという話ではありません。上下の標高差は1,071m(運営者の公表値)で、単独のスキー場としては谷で最大。1週間過ごせる設備がいちばん揃っているのもここです。ただ、雪そのものを目当てに白馬を選んだのなら、谷の反対の端を取っています。
どうすればいいか
八方に泊まって、北を滑る。多くの人にとってはこれが答えです。宿と食事とバスは八方にあり、雪は栂池とコルチナにある。谷のシャトル網は、まさにそのために走っています。
1日しか無くて、前の晩に降ったなら、北へ。受け止めているのはコルチナと栂池です。
深さより雪質を取るなら栂池。397カ所中23位は上位6%にあたります。冷たく、よく降り、比較的乾いています。
そして共通リフト券を「同じ山」の証拠にしないこと。1枚の券で、平年の降雪が254cm、雪質の国内順位が134位も違う場所を滑れます。
数字の出どころ
降雪量は Open-Meteo の過去データ(ERA5再解析)から、直近12冬(12〜3月、2014/15〜2025/26)の平均を、世界3,069カ所すべてに同じ計算で当てたものです。日本の山では実測より小さく出ます——気象庁の63地点と突き合わせて、中央値で実測の56%程度にとどまることを確かめてあります。ですので行と行の差を読んでください。cmそのものは低めです。
雪質は当サイトの指標で、雪の日の気温・5cm以上降る日の割合・雨の日・風から出しています。降った量は入れていません。だから降雪16位で雪質19位、降雪74位で雪質102位といった並びが出ます。どれをどれだけ重く見るかは私たちの判断で、物理から導いたものではありません。確かなのは、397カ所すべてを同じ基準で測っていることです。
この谷に固有の注意が1つ。白馬五竜と白馬47は地形としてつながっていて共通券も出ていますが、気象モデルの格子の境目が間を通るため、降雪量は2つに分かれて出ます(白馬47の668cmと、五竜の414cm)。同じ山の上と下の幅として読んでください。
宿は OpenStreetMap に載っている12km以内の施設数で、部屋数ではなく建物の数です。人が集まる場所ほど地図が細かいので八方に有利、静かな北端に不利に出ますが、順序が入れ替わるほどではありません。
出典:Open-Meteo の過去の気象データ(ERA5 再解析、コペルニクス気候変動サービス)、OpenSkiMap、地図データ © OpenStreetMap の協力者(ODbL)、気象庁「過去の気象データ検索」、Wikidata・Wikipedia。
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