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日本で雪が多い上位10カ所に、英語版Wikipediaが1つもありません
日本397カ所のうち、英語版Wikipediaがあるのは15カ所。降雪量で並べると49位、55位、74位…そして346位。知名度と雪の多さの相関は0.115、つまり無関係です。関係があるのは宿の数でした。
日本で雪がいちばん多いスキー場を上から並べ、それぞれに英語版Wikipediaがあるかどうかを添えました。8位は5カ所が同じ値なので、12カ所になります。
| スキー場 | 平年の降雪 | 英語版 | |
|---|---|---|---|
| 1 | 奥只見丸山 | 765cm | 無し |
| 2 | 八海山 | 728cm | 無し |
| =3 | 岩原 | 712cm | 無し |
| =3 | 中里スノーウッド | 712cm | 無し |
| =3 | 湯沢中里 | 712cm | 無し |
| =3 | 湯沢パーク | 712cm | 無し |
| 7 | 糸魚川シーサイドバレー | 703cm | 無し |
| =8 | 一本杉 | 695cm | 無し |
| =8 | 石打花岡 | 695cm | 無し |
| =8 | 石打丸山 | 695cm | 無し |
| =8 | 上越国際 | 695cm | 無し |
| =8 | 舞子 | 695cm | 無し |
12カ所すべてに、英語版がありません。日本語版は12カ所中9カ所にあります。英語で書かれたものが、1つも無いということです。
英語で書かれている15カ所
397カ所のうち、英語版Wikipediaがあるのは15カ所。降雪量の国内順位で並べます。
| 降雪の国内順位 | スキー場 | 平年の降雪 | 宿 |
|---|---|---|---|
| 49位 | 野沢温泉 | 450cm | 36軒 |
| 55位 | 苗場 | 446cm | 11軒 |
| 74位 | 白馬八方尾根 | 414cm | 79軒 |
| 81位 | 旭岳 | 388cm | 15軒 |
| 87位 | 安比高原 | 377cm | 19軒 |
| 134位 | 高鷲スノーパーク | 322cm | 5軒 |
| 160位 | ニセコグラン・ヒラフ | 289cm | 431軒 |
| 173位 | 花輪 | 263cm | 11軒 |
| 175位 | サッポロテイネ | 260cm | 0軒 |
| 177位 | 蔵王温泉 | 258cm | 56軒 |
| 237位 | 富良野 | 220cm | 32軒 |
| 249位 | ルスツ | 212cm | 15軒 |
| 275位 | ハンターマウンテン塩原 | 193cm | 25軒 |
| 342位 | エコーバレー | 133cm | 1軒 |
| 346位 | 白樺湖ロイヤルヒル | 133cm | 27軒 |
いちばん上でも49位。世界が日本の雪と結びつけて考えるニセコは160位。15カ所のうち2カ所は、397カ所の中で340位より下です。
数字で見た関係
Wikipediaと照合できた日本393カ所で、知名度と降雪量の順位相関は 0.115 です。
関係はほぼありません。
| 英語版Wikipediaがある | 15カ所 | 降雪中央値 263cm |
| どの言語にも記事が無い | 167カ所 | 降雪中央値 233cm |
| 照合できた全体 | 393カ所 | 降雪中央値 249cm |
英語圏が名前を知っている場所は、どこにも記事が無い場所より、1シーズンで30cm多いだけ。230cmを超える土台の上では、差とは言えません。
では何と関係があるのか
雪ではなく、宿でした。
英語版がある15カ所の宿は中央値19軒。記事がまったく無い167カ所は3軒。ニセコは431軒。宿の多い次の4カ所(八方尾根79、蔵王56、野沢36、富良野32)を足しても203軒です。
口に出してみれば当たり前の話です。英語で紹介されてきたのは、外国人向けの宿が建った場所です。そこが知られるようになっただけで、雪の量で選ばれたわけではありません。誰かが全国を測って、雪の多い山から開発したわけではないのです。
向きには注意が要ります。宿が有名にしたのではありません。ニセコは有名になってから建物が建ちました。ただ、知名度と宿は一緒に増えてきました。そこに雪の多さは関わっていません。
日本の読者にとって、これが何を意味するか
「外国人に人気」を雪の目安に使わないこと。雪の量については、ほとんど手がかりになりません。海外で有名だということは、英語の案内があり、外国人向けの道具が借りられ、空港からバスが出ている、という意味であって、そこに何が降るかとは別の話です。
逆に、日本語でしか知られていない場所を低く見ないこと。上の表には、湯沢・南魚沼のおなじみの名前が並んでいます。英語圏に情報が無いだけで、雪では日本の頂点にいます。
そして、この構図はこれから変わり得ます。海外から来る人が増えるにつれ、宿が建った場所が知られていく順序は今も同じです。降雪上位12カ所の宿は、多いところでも18軒です。ニセコの431軒とは桁が違います。そこが「次」になるかどうかは、雪ではなく、建物が決めます。
数字の出どころ
降雪量は Open-Meteo の過去データ(ERA5再解析)から、直近12シーズン(2014/15〜2025/26、12〜3月)の平均を、世界3,069カ所に同じ計算で当てたものです。日本の山では実測より小さく出るので、順位のほうを信じてください。
知名度は、そのスキー場の Wikipedia の記事が何カ国語にあるか、英語版があるかで見ています。代理指標であり、粗いものです。日本語版しか無くても日本人にはよく知られている場所があります(栂池高原がまさにそれです。白馬コルチナは日本語版も無いのに、地元ではよく知られています)。この指標が確かに測っているのは「何が、どの言語で、書かれているか」であって、この記事の問いはまさにそれです。
町や山の記事は数えず、スキー場そのものの記事だけを数えています。
宿は OpenStreetMap に載っている12km以内の施設数で、部屋数ではなく建物の数です。人の多い場所ほど地図が細かいので、宿の数は有名な場所で多めに出ます。宿と知名度の結びつきは、実際より少し強く見えているかもしれません。
出典:Open-Meteo の過去の気象データ(ERA5 再解析、コペルニクス気候変動サービス)、OpenSkiMap、地図データ © OpenStreetMap の協力者(ODbL)、Wikidata・Wikipedia。
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